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妙法蓮華経玄義(ミョウホウレンゲキョウゲンギ)

妙法蓮華経玄義(ミョウホウレンゲキョウゲンギ)全10巻10冊

丁 数 【巻二】59丁/【巻四】102丁/【巻五】85丁/【巻六】105丁
【巻七】62丁/【巻八】79丁/【巻九】72丁/【巻十】84丁
版 式 無辺無界 7行17字 双花口魚尾 白口
装 丁 四針眼 綫装 栗皮表紙
大きさ  27.5cm×19.2cm(巻二・巻四〜九)28cm×19cm(巻十)
刊 記  於關東下総國中村郷板行
慶長十八癸丑暦五月日 工匠琳齊日慈(巻十末)
刊行時期  慶長18年(1613年)※巻十のみ

    『妙法蓮華経玄義』は『法華玄義』ともいい、中国隋代の僧で中国天台宗の開祖智が、開皇3
     年(593)荊州玉泉寺での講述を弟子の章安灌頂が筆録整理して私序をつけたもので、全10巻か
     らなる。
     今回紹介した『妙法蓮華経』は木活字を使用した「木活字印本」であり、江戸時代初期に刊行さ
     された「古活字版」と呼ばれる資料である。
     この『妙法蓮華経玄義』は現在巻一・巻三が欠けており、巻二・巻四〜巻九と巻十は共に古活字
     版ながら、版面照合の結果異版であることが判明している。
     特に巻十巻末の刊記を見ると、慶長18年(1613年)下総国中村郷(現 千葉県香取郡多古町中
     村)で「工匠」琳齊日慈によって出版されたことが記されている。
     当時、中村には日蓮宗関東六檀林の一つである日本寺(中村檀林)が所在し、そこでの修学用に
     出版されたものと考えられ、同じ下総国に所在した飯高檀林(現 千葉県匝瑳市飯高)でも「工
     匠」による古活字版による複数の出版が確認されている。
     なお「工匠」琳齊日慈は同年10月に出版地は不明ながらも『日蓮聖人註画讃』(古活字版 全1
     巻1冊)を出版したことが確認されている。
     (松木文庫資料)

※古活字版 明治以前の活字印刷の版本で、文禄年代(1590年代)から寛永年間(1640
年代)頃に亘る約半世紀間に出版された活字印刷物の総称。当時の活字は木
製が殆どで、極稀に金属活字による版本も存在する。
参考文献:『近世日蓮宗出版史研究』冠賢一著 昭和58年 平楽寺書店

妙法蓮華経玄義

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