lao_20th
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図2451Ⅴ 結果と考察●口頭報告 Inpadhit氏によると、バナナの葉の灰はKhi-thaoよりも固く、より早く乾いた。バナナの葉を使用した場合、型からスムーズに出てきて、成型には使いやすいと述べた。三つの代替品のなかでココナッツの灰を使用したのが一番良かったと言った。粒子が小さく、材料が柔らかく、成形後に型の輪郭であふれた素材が切断しやすいと述べた。この口頭での報告により、過去バナナの葉の灰が主流の代替品であったタイにおいて、現在のsamukの作成にココナッツの灰が使われるようになった実際の歴史的な流れが理解できる。Inpadhit氏はまた、ココナツの灰を使用すると、型のデザインが他のどの代替品よりも明確に表れると述べた。Ⅴ-1 バナナの葉の灰とココナッツの灰 バナナの葉の灰とココナッツの灰の見かけ比重は同じ0.476で、水牛の糞よりもはるかに高かった。簡単に言えば、同じ量の灰の材料は、いずれの場合も水牛の糞の材料よりもかなり重かった。粒子はより小さく、それらの間のスペースは少なかった。これは結果にはっきりと表れた。すべての物質を成形に使用できたが、粒子のサイズが結果の形状に明らかな影響を与えた。図21を見ると、水牛の糞と漆で作られた型の表面とエッジは、大きなサイズの粒子が含まれているため、スムーズではないことがわかる。比較すると、バナナの葉の灰と漆の混合物(図22)とココナッツの灰と漆の混合物(図23)を使用して成形された形状は、はっきりしたスムーズな表面とエッジがある。簡単に言えば、灰の粒子がより小さければ、より漆に練り込みやすいので、成形することがよりうまくいく。Ⅴ-2 3種類の水牛糞 図24は、異なる3種類の水牛の糞に漆を混ぜて作った型。3つのうち、糞の灰を使って作られたバージョン(Ⅲ-3-2)は、最も細かい粒子を持ち、最もスムーズな形になった。型の形は非常にはっきりと見え、菩提樹の灰で作られた伝統的なkhamoukとほとんど違いはなかった。資料を読んで、ミャンマーでは水牛糞の灰がthayoを作るのに使われている事実を踏まえ、水牛糞の灰で作った型と、菩提樹の灰を使った普通のkhamoukで作った型を見て区別できるかと数人のラオス人の芸術家に尋ねた。誰も違いがわからなかった。色も質感も同じ。しかし、ラオスの芸術家全員が、水牛の糞を使って仏像を作るのは非常に失礼であるという考えが一致していた。ラオスは仏教国であり、ほとんどのラオス人は仏教の教えを信じている。宗教が異なっていても、この考えはおそらく同じであろう。キリスト教徒はおそらく、牛の糞を使ってキリストの像を作ることを望まないであろう。 他の2つの水牛の糞を使用したバージョンは、菩提樹の灰の代わりとして考えると、仕上げがはるかに悪かった。叩かれた乾燥糞は水に浸けた糞よりわずかに良かったが、どちらの場合も、糞の中の草からの繊維が成形に適さない不均一な表面をもたらした。ただし、これらのバージョンは下地として使用されたと報告されている。その場合、繊維状の材料が補強し、作品をより丈夫にしている可能性がある。●口頭評価 ラオスの型を使ってkhamoukを形成する経験が多いInpadhit氏は、水牛糞の湿ったバリエーション(Ⅲ-3-3)を成形するのに苦労した。粒子が大きすぎて、仕上げた後、型の形がくっきり表れないと言った。彼は、湿った水牛糞と漆のバージョンは芸術よりも木の亀裂を埋めるためによく使えるだろうと言った。 Inpadhit氏はまた、乾燥した糞を叩いて作った代替品(Ⅲ-3-1)について、軽量であるが粒子が大きすぎると述べた。彼は、材料がべたつかず、型に付着しないことが利点だと付け加えた。しかし結論から言うと、燃やして灰にしない限り、

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