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(写真⑳)312015-2016 ラオPDR伝統セメント研究Ⅱ Din-leuang SiO2は二酸化ケイ素と呼ばれている。主に、半導体や鋳造の際のキャスティング、電球の光を拡散するために内側に塗られる塗料として使用されている。粉体状のものを大量に吸引すると肺機能の低下をまねく恐れがある。また、発癌性があると認められている。純粋な二酸化ケイ素は白色(写真⑳)である。 中に含まれているmaghemiteは茶色で、合わせるとパステルイエローのような色になる。Thefirstpaintsweremadebycreativepeopleusingreadilyavailablematerialsaroundthem.InLaoPDR,colorfulrocksandsoilwereusedforcenturiestomakered,yellowandblackpaint.Thisstudycomparesreportedmethodsofmakingtraditionalredandyellowpaint,consideringfactorssuchasdryingtimeandresistancetowater.Usingtraditionaltechniquesandlocallygatheredmaterials,thestudyattemptstorecreateatraditionwhichislosingpopularityrapidlyascheapacrylicpaintsbecomeincreasinglyavailable. 身延山大学とラオス情報文化観光省の共同プロジェクトであるルアンパバーン世界遺産地域の仏像修復と研究プロジェクトは、20周年を迎えた。これまで、このプロジェクトは木と青銅の佛像の6.まとめ及び今後の研究目標 私たちの結論は以下の通りである。Ⅰ Dine-harngは四つの方法で作成ことができる。しかし、爆発の危険性や耐久性を考慮したうえ推奨される作成方法は、水や軽油を使わな序 章い、Nam-mannyangのみでの作成である。Ⅱ Dine-leuangの作成方法でDine-harngを作ることはできない。Ⅲ Dine-harngの赤色はFe2O3によるものである。Ⅳ Dine-leuangの黄色は白い二酸化ケイ素に茶色のmaghemiteが加わってできる色である。 今回の調査では以下にあげる研究課題が残った。Ⅰ Din-harngやDine-leuangを採集に行った際、現地ガイドが石のいくつかの種類が顔料として使えると言っていた。同じ場所で採集できる似た石が存在しているが、それらが実際に顔料として使用できないのか、顔料との違いがあるかの確認をしたい。Ⅱ Nam-mannyangの木のサンプルを採集し種類の特定、及び採集方法のビデオ録画を行い更なる研究へと繋げたい。【付記】本稿は、拙稿「AStudyofTwoTypesofTraditionalLaoPaint」(『身延論叢』第21号、平成28年3月)を加筆訂正したものを和訳したものである。修復と研究に焦点を当ててきた。しかし、2015年にVatAphay寺院が高さ4メートルのpathaipun仏像の修復を依頼した。Pathaipunは、多くの種類のある伝統的なラオスセメントの1つである。この佛像を復元するためには、さまざまな種類の伝統的なラオスのセメントの徹底的な研究が必要A Study of Two Types of Traditional Lao PaintJill Emma Strothman, Yukina Ikedaジル・エマ・ストロースマン,池田優季名,Phimpha Phongsavath

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