lao_20th
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表A26(写真①)表B2014年3月1日午前中より顔料作成開始 UNESCOの資料を参考にして、それぞれの方法でdine-harngに対して同じ比率の液体混合物を混ぜた。実験しながら以下のことが判明した。1.以前の身延山大学の研究で記録されたnam-mannyangとdine-harngを熱しながら混合方法①方法②方法③方法④ 2014年2月26日、身延山大学より5名がPeo村の山奥にてdine-harng採掘を行った。現地の5名の方に案内・採掘の手伝いをしてもらった。20分かけて、深さ60cmの採掘で1.45kgのdine-harngが採掘された。これに加え、既に採掘されていたdine-harng4.5kgを購入した。 事前調査により、dine-harngを用いた赤土の顔料に関して、以下の4つの作成方法があることが判明した。1.身延山大学の以前の研究に記録された方法として、nam-mannyangといわれるnyangの木の樹脂と粉砕したdine-harngを混ぜて顔料を作る、ラオスで伝統的に使われてきた方法。2.UNESCOの報告に書かれている作成法で、dine-harng、軽油、nam-mannyangを小さな鍋に入れて混ぜ、小さな鍋ごと砂の入った大きな鍋の中に入れ、5時間ゆっくり温める方法である。(図1参考)3.ペオの村人にdine-harngを用いて顔料をどのように作成しているのかを訊いた時、本来の作成方法で用いるnam-mannyangが高騰したため、最近ではnam-mannyangの代わりに軽油のみを用いて顔料を作ると言われた。4.王宮博物館は最近dine-harngを用いて壁を塗ってもらったので、どの方法で顔料を作成したのかを尋ねた時、水と混ぜただけとの回答をもらった。 この4つの方法で、表Aの材料を用いて実験を行った。dine-harngnam-mannyang0.4ℓ(482g)1.1ℓ(1002g)0.4ℓ(482g)0.75ℓ(681g)0.35ℓ(266g)0.2ℓ(241g)0.55ℓ(403g)0.2ℓ(241g)する作成法は、2時間熱することを要する。2.UNESCOの方法では、熱しながら混合すると書かれていた。しかし、UNESCOの為に顔料を作成したルアンパバン工芸学校の教員は、軽油を混ぜたものに引火すると爆発するため、ラオスの人々は決して火にかけないと言ったので、私たちは熱しなかった。3.三番目と四番目と顔料は、混ぜるだけで完成なので、時間短縮を希望する場合、適している。 4種類の顔料を作成した後、同時に板に顔料を塗った。(写真①) その後、完全に乾燥するまでの時間を測定した。この実験の結果は表Bで見ることができる。Nam-manyangを含む顔料がなかなか乾かず、夕方塗って、一晩置いたら乾燥していたので、正確なデータが得られなかった。そのため、再度昼間測定した。 参考までに、昼間の実験日は晴れで、実験開始の9:00の気温は21.9℃で湿度が65.10%、終了時の12:50の気温は30.7℃で湿度が41.10%であった。方法①方法②方法③方法④軽 油0.55ℓ(550g)夕 方一晩一晩2時間36分7分水昼 間3時間50分3時間50分

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