lao_20th
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24Keywords:khamouk,khi-thao,urushi,heat-polymerizedurushi5.今後の取り組み 令和元年(2019年)における仏像修復所の試みと帰国後のいくつかの実験により、①素性の分かったミャンマー産生漆を使用し、②一定の加熱スケジュールで熱重合漆を作成し、③この熱重合漆に従来よりも低濃度のキタオを混練した。これらの①~③の結果から、しっかりと乾燥し割れの発生確率が低いカモクを製造することが出来ると考えられた。令和2年(2020年)では、これらの実験をもとに修復所の技術者と確認実験や熱重合漆の製造方法を中心に指導した。 令和3年(2021年)はCIVID19のため、非常に残念であったがラオスへ渡航することは叶わなかった。しかし今後は、素性の分かったミャンマー産生漆を入手するために、ミャンマーの漆事情について、その内情に良く通じている方からのご助言を伺いながら、実際の漆生産者や販売者と接触して、どのようにして直接漆を買い付けることが出来るか、また、その輸入及び輸送手段等を詳しく検討する必要がある。これには、ミャンマーから直接買い入れる方法とタイ・チェンマイ経由で安定したミャンマー産漆の入手が考えられる。さらBasedonanexperimentattheBuddhaStatueRestorationCenteroftheRoyalPalaceMuseuminLuangPrabang,weexaminedamanufacturingmethodforsolvetheproblemsoftourushi(thatisori-entalnaturallacquer)material“khamouk”whichhasbeenhandeddowntoLaos.Astheresult,①WithuseMyanmar-producedurushiwhoseidentitywasknown,②wemadeheat-polymerizedurushiwithafixedheatingschedule,and③wecouldkneadthisheat-polymerizedurushiwithalowerconcentrationofkhi-thaothanbefore. From①~③,weconsideredthatitwaspossibletodryhardandproducekhamoukwithalowprobabilityofcracking.Inthefuture,wewillexperimentandconfirmwhetheritcanbemanufac-turedinthesamewayattherestorationsiteandmakeamanualofsomekhamoukmanufacturingmethodsaccordingtothepurposeofuse.Andthen,thesemanualmanufacturingmethodsmustbetransferredtothelocalrestorers.KyotoMunicipalInstituteofIndustrialTechnologyandCulture(localincorporatedadministrativeagency)に、これまでのカモク製造実験を基に、修復所で同じように製造できるのかを実験・確認し、使用目的に合ったいくつかのカモク製造方法のマニュアル化を行う。そして、これらのマニュアル化された製造方法を修復所の技術者の方々へきっちりと技術移転を行わなければならない。〈謝辞〉 ミャンマーの漆事情をご教示頂き、また素性の分かった新しいミャンマー産生漆を提供して頂きました、宇都宮大学松島さくら子教授に感謝申し上げます。 また,ルアンパバーン国立王宮博物館仏像修復所において一緒に討論・実験をさせていただきましたビエンチャン国立工芸大学SithongSibouxay講師,ルアンパバーン国立工芸学校PhimphaPhangsavad講師,ルアンパバーン国立王宮博物館VilaivanhPhomsamai修復技術師,身延山大学JillEmmaStrothman講師をはじめ,参加されたビエンチャン国立工芸大学,ルアンパバーン国立工芸学校,ルアンパバーン国立王宮博物館,身延山大学の皆様に心より感謝申し上げます。Hiroshi OyabuConsidering Khamouk

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