
学長 宮川了篤 |
21世紀は心の時代といわれています。しかし現実の社会はどうでしょうか。合理性が優先され、変革が正義とされる時代。経済問題や民族問題、医療、脳死、年金、高齢化、少子化・・・これだけ多様な社会問題を抱えている現代は、「心の時代」と呼ぶには程遠い姿だと言わざるを得ないでしょう。もちろんこうした諸問題を解決するため、各方面の専門家と呼ばれる人々は日々努力を重ねています。しかし一向に「暮らしやすい、いい社会になってきた」という意見が聞こえてこないのはなぜでしょう。その原因のひとつとして考えられるのが、社会の諸問題が複雑化し、ひとつの分野では対応できなくなっていると言うことです。私たち身延山大学は理想的な社会を実現するため、宗教の専門家という視点を基礎におきつつも、他分野の知識やノウハウを導入するとことで社会にアプローチしてきました。たとえば仏教教養コースの福祉・生涯学習系科目は、「心の時代」の実現へ直接つながるものと言えるでしょう。手話を学生全員の必修科目としているのも、こうした考えから始まったものです。仏教を通して自己の「心」を研鑚し、身につけた「技」で理想社会の実現へと挑戦する。そんな、明日の社会を担う学生諸君の入学を待っています。 |